ペット防災 第3回「飼い主の備え2」
ペットと暮らす2019/04/03
災害を想定して平常時から飼い主が準備しておく「物」はたくさんあります。
先ずはフードや水です。
被災地では交通網の寸断により暫くの間物流がストップしてしまいます。
支援物資が届く迄の間は備蓄しておいたフードと水でしのぐ必要があります。
熊本地震では3日もせずに全国からフードや水等の支援物資が届きましたが、最低でも10日間程のフードと水の備蓄は必要でしょう。
支援物資の中にいつも食べている種類のフードがない事を想定すれば、普段から複数の種類のフードを食べさせておく事も災害への備えの一つです。
持病があるペットの場合は薬や療法食を保管しておく事は必須となります。
かかりつけの獣医師の先生と災害時の備えとしてしっかり話し合っておく必要があります。
避難行動を取る際、また避難所でも、キャリーケース、クレートが必要となる場合があるのでその準備が必要です。
もちろん普段からキャリーケースやクレートに入る事を慣れさせておく事も必要です。
トレーニングする場合は無理矢理押し込む様なやり方ではなく、キャリーケースやクレートに入ると良い事が起きるんだと意識付けしておきましょう。
先ずは顔だけ、前足だけ、腹部まで、後ろ足とご褒美をクレートの中に投げ入れる形で慣らしましょう。
キャリーケースや、クレートの中に大好きなタオルやベッドを入れてそこが居やすい場所にしてあげてください。
また、新品のリードや首輪をワンセット用意しておきましょう。
災害時に古くなったリードや首輪がちぎれてしまえば新しいリードや首輪を手に入れる事が困難になる場合もあります。
そしてそれが迷子や脱走に繋がる恐れもあります。
「リードが古くなったから買い換えないと」
そう思っていても、仕事や家事が忙しくてなかなか買いに行けずに後回しになった経験はありませんか?
災害はいつ起きるかわかりません。
リードや首輪をワンセット余分に常備しておく事も災害への備えです。
災害が起きる時間帯によっては飼い主が自宅に不在のケースも考えられます。
ペットを飼育している事を周りに知らせる為の「ペット表札」があれば取り残されたペットの救護に役立つ可能性もあります。
災害時に一時的にペットを預けるケースを考えればペットの健康状態やワクチン接種の履歴、その子の性格等を記入したファイルを作っておく必要もあります。
普段どんな食事を、どのくらいの量、何時に食べているのか?
お散歩の時間は一日何回で、一回何分なのか?
他の犬や猫との相性は?
飼い主以外の人に対してはどんな反応なのか?
ペットの健康状態だけではなく、性質や普段の生活環境をファイルにして可視化しておく事は災害時にどこかに預けざるを得ない場合に役立つのは勿論の事、飼い主が普段何気なくやっている事を見直すきっかけにもなると思います。
この様に災害に備えて飼い主が普段からやっておかなければならない事はたくさんあります。
しかし、これはペット防災の本質ではありません。
一般社団法人HUG
代表理事 冨士岡 剛
コラム提供:一般社団法人HUG
#ペット防災 #飼い主の備え