ペット防災 第9回 災害時の人とペットの同行避難の現実「テント生活」

ペットと暮らす2019/09/01

 

 

熊本地震ではペット同行避難の対策として動物愛護団体が飼い主とペットが避難生活を送る為の「テント」を用意しました。

 

テントの設置はとても早く、地震発生から10日も経たないうちに同行避難専用テントは出来上がりました。

 

テントの中では家族とペットが共に暮らせて、プライバシーも確保出来る状況でした。

 

当時の避難所はまだ段ボールベッドも設置されておらず、被災者は部屋だけに収まらず、廊下に雑魚寝している状況で、プライバシー等皆無でしたので、愛護団体が設置したテントを見て「何でペット連れだけはこんなに良い環境で暮らせるんだ❗」そんな声がペットを飼育していない被災者の方から出るのではないかと心配する程でした。

 

しかし、すぐに状況が変わりました。

「テント」の脆弱性が露呈したのです。

 

最初に設置されたテント(最初の写真)は大きなテントで数家族とペットが入れる物でしたが、それは設置の段階で強風に煽られ、1日で撤去されました。

 

次に設置されたのが一家族づつが暮らせるコンパクトなテント(下の写真)でしたが、設置した敷地の地盤が悪く、雨が降ると下から浸水しました。 対策として、途中でテントの下に木の板を敷いて対応していましたが、雨が続くと今度はテントの屋根からの雨漏りの対応に追われました。

 

 

一番大変だったのは「暑さ」の問題でした。 5月の熊本はとても暑く気温は軽く30度を超え35度36度の日もざらでした。 テント内の温度は外気プラス10度と言われていて、風通しを良くしたり、ミスト扇風機を使ったりと暑さ対策をしていましたが、被災者の人たちは日中はクーラーが効いた避難所の中に避難していました。

 

この「暑さ」が益城町が5月いっぱいで同行避難専用テントの撤去を愛護団体に要請した一番の理由でした。

「人の生命の危険性」です。

 

テントは確かに災害時に役に立つ場合もあります。

その機動性は災害の混乱の中役立つ場面も確かにあります。

 

ただし、ゲリラ豪雨や猛暑と云う天候にはとても弱いと云う事が熊本地震でわかりました。

 

ゲリラ豪雨、猛暑の日本ではその機動性のメリットよりも脆弱性のリスクの方が高いと思います。

 

テント生活はあくまでも緊急避難、一時的な同行避難対策として考えるべきで、もっと本質的な対策を前に進める必要があります。

 

それが熊本地震の現場で実際に見た現実です。

 

 

 

一般社団法人HUG代表理事

冨士岡 剛

 


コラム提供:一般社団法人HUG


#ペット防災 #同行避難 #テント生活

 

 

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